「やかまシルフのヒァナ」で参考にした作品を紹介
前書き
私の観測範囲では、フリーゲームを投稿した人は、その元ネタを明かして楽しんで良いことになっているようです。
やかまシルフのヒァナではパロディを控えめ強い意志を以て排除しましたが、大量の先行作品の影響や模倣の上に成り立っていることには代わりありません。ここで思い出せる限りを開陳してみようと思います。
よろしければ前回記事もお願いします。
ノンフィールドRPG
ACDC
とにかくこれがないことには始まりません。ノンフィールドRPGを開発しようと思ったきっかけがこの作品です。
非常にシビアなバランスで成り立っている爆裂面白いローグライクで、しんどいゲームが好きな人には是非とも遊んで頂きたいと思います。(ただしプレイフィールはやかまシルフとはだいぶ異なります。)
私はレアアイテム禁止セーブ禁止で20分切りを達成したことがあります(自慢)。
直接的な影響としては、エフェクトや効果音のタイミング、アイコンの使い方、イベントの出現バランスなどにおいて、全面的にお手本にしています。
同作者の「泥のガラドリエル」とか「天使心母」もおすすめです。
雪道
みんな大好き雪道ですね。まだやってない人はやってください。
とにかくチュートリアル無しでルールが把握できるように最初の敵をデザインするという姿勢、ガードの気持ちよさ、ガードの音(ガキン!)などを模倣しました。もっとも雪道の方が、ボタンに「攻撃」って書いてあるんではるかに親切ですね。
本来簡単なはずの1面がダレないためのレベルデザインという点でも参考にしています。
また、途中で「本」が出てきてゲーム性が一変するところも、「エーテルマナ」の登場という形で取り入れています。
ほんとは同作者の「孤独なアルファ」が一番好きで、ツイッターのヘッダーにするぐらいなんですが、ヒァナには特に反映されていません。
ハイテンダンジョンRTA
初期に「RTA映えするノンフィールドを作ろう」と思っていて、参考作品としてプレイしたものです。あまりに私の理想を映していてびっくりしました。
やかまシルフが面白いと思った人には、これも刺さると思います。
クリアタイム15分ぐらいまでは縮めたのですが、その先は難しいですね。
自覚しきれないほどの多大なる影響を受けていると思われるのですが、やはり横で喋りまくるキャラのテンポ感が最も大きいと思います。相棒が喋るゲーム自体は、それこそ片道勇者の妖精イーリスからいっぱいあって定番なんですが、こんなにひたすら並列で喋らせても成立するんだ!と感銘を受けたことです。
(追記2021/08/25 デッドロックのこと忘れてました。デッドロックは明らかにハイテンダンジョンのカットの影響を受けてます。フレーバー上の意味合いはずいぶんと別物ですが。)
もぐらの記事に書かれてる通りだけど、題材のインパクト、個性的なシステム、緻密なレベルデザイン、練られた演出、おしゃべりでかわいい主人公、初心者にも親切な誘導、1時間→数分までプレイタイムが縮まるシームレスな難易度、etcetc、3拍子どころか6拍子も7拍子も揃ったマジのRTAゲームだよ
— まきぬの🍓 (@makioshibori) 2021年8月9日
ゲームをRTAするのが普通なのであって、RTAをゲームにしようと思うのは天才の所業なんよ
— まきぬの🍓 (@makioshibori) 2021年8月9日
ゲー製ゲーム
去年の総合3位ですね。これをノンフィールドローグライクRPGだと見做してる人はもしかしたら私ぐらいかもしれませんが、ともあれめちゃくちゃよく出来たゲームだと思います。
ランダムに降ってくる数字をうまく使い分けて、歩行とバトルをシームレスにこなしながらアイテムを集め、そしてできれば素早く先に進んだ方が良い評価を受けられるわけです。後ろからは締め切りが迫ってきます。そう考えると、ランダムな色のマナを使いながら歩行やバトルをこなし前進していくゲームと、似ているなあ、と理解して頂けるのではないでしょうか。
一時期は考えたアイデアが全部ゲー製ゲームの劣化に収束してしまい、「ゲー製ゲームから逃れられない!」と焦りまくったものです。
ランダム性があまりに高く戦略を練れないところに危うさを感じますが、それすらもゲーム制作の再現という点で良いスパイスとして効いています。攻撃力や防御力というステータスすらなく、ただダイスの目がちょうどかどうかだけで行動の成功度を表すことができます。ただ大きな目を持っていれば済むわけではないのですね。極めてエレガントです。しかもその複雑なゲーム性を、「すごろく」の一言で済ませています。驚嘆すべきゲームデザインです。
直接的には、UIのテンポ感に影響を受けています。
グレナサクリファイス
ウディコンのノンフィールドといったらこれ、というイメージがあります。画面構成や色合いを参考にしました。
HPを求めてくる商人というのもまさにですね。ここに関してはあまり積極的に模倣したかったわけでもないのですが、新たに管理すべきリソースを導入せずに払えるもの、マナとHPぐらいしかなかったんですよねえ。
いばらのうみ
これもウディコンのノンフィールドで、音楽のチョイスが抜群だと思います。
歩数ごとに出現イベントが固定されるというアイデアを模倣しました。このおかげで、ステージ1のレベルデザインとルールの暗黙的な導入が、圧倒的に楽になりました。
同作者のみさきディスタンシングも非常に面白い作品で、「時間経過ってノンフィールドじゃん!」という気づきが得られるのでおすすめです。
ベビーシッター2XXX
これまたウディコン発で、独特の戦闘システムが楽しいゲームですね。画面構成とか矢印の感じを参考にしました。
アムネジアヒーロー
後ろから敵が追ってくるのが特徴的なノンフィールドです。アイデア練り時期にプレイしました。スキルの取捨選択が面白いですね。ストーリーラインとか必殺技が、そこはかとなく影響を受けている気がします。
最果てを目指す
ウディタ製で一時期話題になってた気がするノンフィールドローグライクですね。素材集めが熱いゲームです。横長の画面で端によく喋る相棒がいる感じの画面構成や、イベントの選択肢の感じが、一部影響を受けている気がします。
召喚指揮候補生
説明は不要と思います。UIとかSEの付け方の感じを参考にしました。参考に……できてるか?高度すぎてあまり模倣できていない感じがしますが、ともかく好きな作品を真似しようという気持ちはあったので、確認はしました。結晶石と錬金銃とかフランの夢のUIも同様に確認しました。
元はアリスが穴を落ちていくローグライクだったので、フランの夢みたいな下方向にすすむローグライクは貴重で非常に参考になったんですよねえ。
Slay the Spire
ド有名作で、大量のフォロワーを生んでいます。マナから色を無くすとこういう感じのゲームになるんじゃないでしょうか。何を参考にしたのかわからないレベルなんですが、とにかくこれの名前を挙げておかないのは間違ってる気がします。そのぐらい面白いゲームです。
少なくともガードシステムはそのまま採用してます。
これをアクションゲーム化した"One Step from Eden"も大した時間泥棒でおすすめです。アクション要素がめちゃくちゃハードですが、忙しい操作が好きな人にはおすすめできます。
Dicey Dungeons
マナから色をなくして、代わりに数字をつけるとこういうゲームになると思います。マナに数字がついているだけで、こんなにも遊びの幅が拡がるものかと驚嘆させられます。「スキルカード」など、ゲームゲームした世界観に影響を受けている気がします。レベルアップの感じも少し参考にしています。
FTL: Faster Than Light
これをRPGに入れていいのかわかりませんが、海外におけるノンフィールドローグライクの祖であることには間違いないと思います。イベントの選択肢の感じをそこはかとなく真似しました。
海と必然のサイコロ
ステスト2回目ですね。ランダマイザがひたすら流れてきて、その通りに行動するしかないという辺りでアイデアの元の一つになっています。
ノーネームワールド
アンディーメンテ製、非常にザクザクと進むめちゃくちゃテンポ感の良いノンフィールドローグライクです。このゲームの気持ちよさはUIの爽快さにあって、実際にプレイしてみないと伝わらない気がします。テンポ感を真似しました。
マナというシステムについて
ビーダマン
この動画を見たことで、「宝石の色というランダマイザ」というブレイクスルーに至ることができました。それまでは、サイコロとかトランプの数字とかで試行錯誤していました。
アズール
宝石ではないですが、宝石みたいに綺麗なタイルがいったり来たりするボードゲームです。取るか取らないかという少ない選択肢が多くの影響を及ぼすという点で、「チャージ集中」システムの参考になりました。
少女展爛会
敵味方で共有されるリソースというアイデアは、間違いなく「オーデ」システムのイメージから来ています。
マギカロギア
スキルにマナを入れることで発動するというアイデアは、ここから借用しています。
神我狩
特定のダイスの目を揃えることで発動する技という点で、スキルカードシステムの発想の元になっています。
トーキョーN◎VA
当初案では不思議の国のアリスが出てくる予定だったので、トランプをランダマイザに使うことを考えていました。つまりはN◎VAでした。
「絵札はともかく10」というルールが非常に優れていると思っていて、これのおかげでJとかQとかの難しい文字を認識する必要がないだけでなく、10以上の「アタリ」の札が5/13も含まれる計算になります。
フレーバーについて
Pathfinder、ダンジョンズ&ドラゴンズ5th
そもそもヒァナのコンバート元がPathfinderなので、設定上つながりがないとはいえ、大いに参考にはしました。
イベントのほとんどは、Pathfinderの呪文リストを見ながら「便利魔法、こういうシチュエーションで使えたらかっこいいのになー!」という思いつきで作っています。
星見の塔トーナメント(TCG)
その昔行われた非電源オリキャラ投稿ゲームです。非常に残念なことにサイトが散逸してしまったのですが、ステッパーズストップにメモが遺されていたおかげで助かりました。
多くのスキル効果の元ネタにさせて頂きました。
特に、火が強引な攻撃、地が反撃、水が回復、風が妨害というバランスの取り方の参考になりました。
ちなみに剣マナを含めると5色になってバランスが崩れると思ったので、剣は「無色マナ」という形で取り入れています。
ステッパーズストップのマーガレットやブレイドロンドもスキルの参考にしています。
桜降る代に決闘を
キャラ理念文書の書き方や、フレーバーとデータの一致のさせ方において、学ぶところが多々ありました。
MtG
みんな大好きカラーパイですね。やかまシルフでも大まかなマナごとの役割を定めてあります。高コストスキルではかなり崩していますが。
スキルカード名の元ネタ
パロディを排除したと書いたのですが、私は意志が弱いのでスキルには少しだけ入れ込んであります。
ここに書いてないのは私の脳内の思いつきです。
マジックミサイル
やはりPathfinderから。
レーザーランス
瞑想
ドラクエですね。
余談ですが。ヒァナが瞑想できるような性格をしていないのは明らかですよね。よって、この技は非常に弱く設定してあります。これは意図的なものです。
メテオフォール
魔神招聘
イストワールの某ボスが「○○の招聘」って使ってくるのがかっこいいので、何かにつけて招聘という言葉を使ってしまいます。
トルネードスピン
静謐
https://ncode.syosetu.com/n9073ca/
アリュージョニスト、ではなくてその元ネタを遡って星見の塔トーナメントからです。
それはそれとしてアリュージョニストは読んでください。
オーバーロード
アークナイツのエクシア。似ても似つかない技ですが。
時の軌跡
やはりイストワール。
その他参考にはしなかったけど良かったゲーム
Nauticrawl
初期段階で迷走してるときに遊びました。操作方法不明な敵のガジェットを盗んで、できるだけ早く飛んで地球に逃げるというゲームを考えていた気がします。
スカイハイ・クロノス・エンドレス
初期段階で迷走してて、「ノンフィールドレースRPG」というジャンルを考えてるときに再プレイしました。やはり名作でしたね。
続編のSCE2はもっと名作で、ゲーム好きだったらどう考えてもやった方がいいです。
魔王城を3分で攻略する方法
初期段階で迷走してるときに遊びました。周回するときに能力値アイテムが蓄積していくというアイデアが秀逸だと思いました。途中のギミックも面白くて飽きないゲームでした。
ヒュプノノーツ
昔遊んだノンフィールドです。特に参照はしてないんですが、好きなやつなので挙げときます。
星のカービィ64
最初はマナを合成する仕組みを考えていたんですよ。ボツにしてしまいましたが。
後書き
他に特に理由もなく紹介したいゲームとかキリはないんですが、キリがないのでこのあたりでやめておきます。この世の全てのゲームに感謝。